

暑さも例年よりは厳しくなかったが、それでも日に日に暑くなって行き、決勝日の気温は30度を、路面温度は50度を超える暑さの中でレースは、争われた。
ライダーも昨年と同じく岡村光矩、石塚剛という若い2人に加え、東村伊佐三が3年振りにチームに戻ってきた。
4月に200kmのセミ耐久で行われた全日本第2戦鈴鹿2&4レースでシェイクダウンしたニューマシン。岡村と東村のペアでエントリーし、試行錯誤を繰り返したが、走る度にタイムは上がって行った。
しかし、決勝はいきなりマシントラブルに見舞われてしまう。スタートライダーを務めた東村がグリッドに向かうサイティングラップで異変を感じていた。
トラクションコントロール、タコメーター、シフターが効かない状態のままの走行となっていたが、東村は、クラッチを切って走る昔ながらの走り方に素早く順応。岡村もトラブルを抱えたままのマシンで力走を続ける。
ライバルチームよりもベストタイムは劣っていたが、3人のアベレージは高く、クラス優勝が現実味を帯びてきていた。
その間、チームも原因をつきとめ、石塚の1スティント目に入るときに、そのトラブルを解消。
ここから戦闘モードに入ったRS-ITOHは、追い上げを開始しクラストップに躍り出る。
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チーム監督・伊藤一成コメント
「今年もKOYORADさんのおかげで水温は、すごく安定していました。スタンダードに比べて10度以上も低かったですからね。
こちらも長年のノウハウからラジエーターの水の流れを提案させてもらったのですが、意見を聞いていただき、よりよいものになってきていると思います。今年も多くの応援ありがとうございました」
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東村伊佐三コメント
「久しぶりにRS-ITOHで鈴鹿8耐を走らせていただきましたが、長く在籍したチームなので家に帰って来たようでした。
決勝は、いろいろ波乱がありましたが、ライダー3人、メカニック、チームスタッフが力を合わせて乗り切ることができました。
新しいマシン、素晴らしいチームメイトと一緒にクラス優勝できたことを誇りに思います」
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岡村光矩コメント
「新型Kawasaki Ninja ZX-10Rは、すごくポテンシャルのあるマシンでしたが、東村選手が加わってくれたことにより、マシンがまとまり、3人ともアベレージが上がったことが、今回のクラス優勝につながったと思います。
チームの皆さんの動きもすばらしく、トラブルへの対策を素早く考えてくれたことで、決勝を走り切ることができました。本当にありがとうございました」
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石塚 健コメント
「2人の尊敬する先輩ライダーと一緒に、今年も鈴鹿8耐に参加できて光栄でした。
決勝でも2人の走行の間にトラブルを解消してくれたので、ボクは思いきって走ることができました。本当に最高のチームワークでクラス優勝を達成できてうれしいです。
この経験を生かして全日本後半戦も頑張りたいと思います」