匠file01 奥山浩之
KOYORADの匠奥山浩之小野逸和永田俊雄
小野に仕事に対するこだわりとは何かを聞くと、意外にもシンプルな答えが返ってきた。
「テスト段階で絶対漏れ(不具合)を出さないことです」
さらに「出来ない、ムリだ、とは決して言わない」と。
そこには、KOYORAD製品で不具合を出さないという匠としてのプライドに加え、匠ファイルNo.1の奥山浩之も触れていた創業者・江尻勝からの教えである「品質第一」の精神が息づいている。
「漏れの発生はハンダ盛りの出来で決まるから、絶対に疎かにしてはいけない」
このようなこだわりを持ち毎日製品を仕上げる中で、過去にこんなことがあったと笑う。
「2、3年の耐久性があれば十分」という客先からの製品依頼。納品後、客先から冗談まじりでこう言われてしまった。
「コーヨーさんの作るラヂエーターは丈夫過ぎて困るよ」
粋な褒め言葉である。
「今の若い人は飲み込みが早いよ。だけどそれはマニュアル化された部分にだけ言えることで、それ以外の部分ではまだまだ(発展の)余地はあるね」
創業者から伝承した「品質第一」という熱い思いとそれを製品に吹き込む為の技術・ノウハウを次世代に伝えるべく、小野は日々若手社員の指導に熱を注ぐ。

“ハンダ盛り”の工程において、熟練の域に至るまでにはハンダ流量の不均一やデッピング時のハンダとの馴染み不足など様々な問題が生じる。
それは技術者が試行錯誤を経て溶接の感覚を自分のものにすることで初めて解消できる部分であり、数多くの経験を積んで習得する部分でもある。
小野は今後を担う若手社員にまず1台1台を実践させることで経験値を引き上げ、出来の悪い部分には敢えて容赦なくダメ出しをする。そして最後に問題点を踏まえながら改善指導を行うことで確実な技術伝承を図っている。
「若手も着実に技術が上がっているよ。認めるべきところは認める。でも手ばなしに称賛はしない」
過度に褒めてしまうと伸び代を削いでしまいかねない。若手社員には未知なる可能性を今後も継続的に拡げていってほしいという願望から、諸手を挙げての称賛はしないと言う。

「オレがベタ褒めする時は(若手に)道を譲る時だけだよ」

とはにかんで、小野は目を細めた。

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