KOYORADの匠
もっとも、製品品質に対する並々ならぬこだわりは前会長である創業者・江尻勝から脈々と流れ、そして受け継がれている。

『チューブ1本、社の信用』―――
“ラヂエーターを構成する部品の一つであるチューブ。このチューブたった1本に不具合があった場合、それだけで会社の信用は台無しになる”。
この言葉をはじめ、前会長から「品質第一」を叩き込まれた奥山は「ものづくりの厳しさ」を身をもって知る。
「今、この歳になって、本当に(前会長の)当時の厳しい言葉の意味の深さを身をもって実感しています」
指導を受ける立場だった当時、前会長に何度叱られたかわからない、とふり返る。
それでも正しいと思う師の教えに奥山はくらいついていった。
「この人の厳しさの裏側には製品品質に対する確固たる熱いこだわりがある」。
どれだけ厳しい叱責を受けても、ただがむしゃらについていった。尊敬する人物はやはり前会長という。
「あの方がいなかったら今の私はありませんよ」

その品質に対する思いを次世代にも継いでいきたいという奥山。今後を担う若手社員には前向きな向上心をもって取り組んでほしいと期待を込める。
「品質第一」というシンプルであるがゆえ深く重いテーマに日々向き合う中で、若手社員にその思いが伝わらない苛立ちから時には声を荒らげることもある。
新世代の匠たちに注ぐ奥山の視線は厳しくも暖かい。
熱き思いを伝える師、それを真摯に受け止める若手、そこに生まれる「あ・うんの呼吸」で初めて、若き匠たちへ技術のプロとしての技と心が一つ一つ受け継がれていくのである。

決して1から10までを導くのではなく、敢えてつきはなし、自分で答えを探し当てる場を与える。そこには自らの経験を通してつかんできたワザを若手たちにも自分の手でつかみとって欲しいという匠、奥山の信念がある。

最後に 奥山にとってプロフェッショナルとは何かと聞いてみた。

「品質とそれを生みだす技術に一切の妥協をすることなく、お客様に良いものを早く供給する。それがプロフェッショナル」

完成度の高い製品を短納期でお客様に供給する―メーカーとしては常に追求すべきテーマであるが、これは熟練の技とスピード、そしてお客様第一主義を標榜するその姿勢なくしてはなしえない。
時間がたっぷりあれば完成度の高い製品は製作できる。なおかつそれをいかに早く仕上げてお客様に喜んでいただくかだ、と奥山は言う。 類まれな技術だけでなく、その作業スピードにも重きを置く奥山ならではの言葉である。

全てのお客様に笑顔を―。
そんな思いを胸に、匠・奥山浩之の挑戦はまだ終わりそうにない。

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