匠file01 奥山浩之
KOYORADの匠奥山浩之小野逸和永田俊雄
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製造部第三グループ。ここでは主にアルミを材料とした様々な熱交換器が取り扱われ、奥山はモータースポーツのレーシングラヂエーターやクラシックカーなど、純正品が手に入らない特殊品などを中心としたラヂエーターASS’Yの製作を行う。
ラヂエーターコアが完成してから、タンクを金属の板材から成形し、アルゴン溶接にて組立て、模擬テストまでアルミのラヂエーターが形になるまでの全てを担う。
幼少期、祖父が大工だったことで大工道具が身近にあり、それらを使い見よう見まねで手作りの遊び道具を作っていたという。この頃、「ものづくり」に対するこだわりの礎が築かれた。
昭和45年、集団就職真っ只中の時代、15歳で江洋ラヂエーター製作所(当時)に入社。
以来、40数年の歳月を経ても、ものづくりに対する信念は一点のかすみもなく「技術屋泣かせ」の一品モノもその技と勘で見事に作り上げる。

では、アルミを溶接する上で奥山のこだわりとは?
「溶接する時、始めと終わりとではワークの温度が違うので、状況に合わせて調節しながら仕上げなければならない。一本調子ではだめなんです。」
季節・気温などにあわせて母材の温度状態や温度のまわり方に気を遣い、条件にあわせて調整することが必要なのだ。アルミ溶接の場合、ロウ材と母材の溶ける温度が(半田溶接に比べ)非常に近く、それだけ適正温度のレンジが狭い。そこを狙って作業をするには経験に培われた技術、そして養われた感覚がものを言う。
「ベストな仕上がりにたどり着くのに答えは1つじゃない。職人1人1人により電圧・距離・時間、それぞれの感覚で掴み、ものにする世界。これはマニュアルなどで書き表すことができるものではなく、自分で掴むものなんです」

数ある苦心の作、会心の作の1つに日産フェアレディZ432のラヂエーター復元をあげる。
若かりし頃、奥山は大きな仕事を命じられた。
それは博物館に展示するクラシックカーのラヂエーター復元――見た目の復元だけでなく、実際に走行可能なクラシックカーゆえ、熱交換器としての性能も求められるものだった。
持っている技術とノウハウを余すところなくつぎ込むも、性能面で支障なく、かつ美麗な完成品を納めるまでには数々の苦労があった。
不測の漏れ発生や信頼していた業者による不具合・・・当初担当を命じられた際は出口が見えない不安でいっぱいだったが、一つ一つ問題を解決していくにつれ、おぼろげながらも出口の光が徐々に大きく、明るくなっていくのを確信した。

「(現在の)相談役と東京の大田区までメッキをしてもらう為に車を走らせたんです。ようやくうまくいき、さあ名古屋に戻るぞ!といった時、大雪が降りまして(笑)。東名高速で一晩を明かしたことは昨日のことのように覚えています。」

奥山の入魂の作であるクラシックカー用ラヂエーターと同じものが現在もKOYORAD本社および港工場に展示されている。


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